投資育成ビジネスフォーラム in 京都
開催報告
2024年10月10日(木)~11日(金)、投資育成の投資先を招いた京都ビジネスフォーラムを開催しました。2日間にわたるこのフォーラムでは、企業経営に関する講演とともに、由緒ある京都の文化や歴史に触れるスタディツアーを実施。
また今回は、東京・名古屋・大阪投資育成3社の投資先企業が一堂に会する初のイベントとなり、地域やビジネスの枠を超え、互いの交流を深めていただく場となりました。
1日目は常識を打破し変革に取り組む2名のマネジメントから、経営戦略とマーケティングを学びました。
変革の経営戦略と、心を掴むマーケティング
講演第1部にご登壇いただいたのは、株式会社エアウィーヴ 代表取締役会長兼社長 高岡本州氏です。どのように素材メーカーから寝具メーカーに事業転換したのか、また、新規参入が難しいとされる寝具市場で、後発メーカーである同社がいかにマーケットへ浸透していったのかについてご講演いただきました。徹底したプル型戦略やオリンピック事業に臨む同社のブランディングは、参加者にとっても大きな刺激となったかと思います。
続く講演第2部では、浄土真宗本願寺派西本願寺 前代表役員執行長安永雄彦氏に、あまり語られることのない寺院経営についてお話しいただきました。人口減少や葬送形態の変化などにより、寺院は厳しい社会環境にさらされています。しかし、同氏はマーケティングの観点から寺院経営を考えており、その手腕や戦略はまさに時代の“変革”といえます。加えて、仏教的視点でみる理想のリーダー像や倫理観など、経営者としての心構えについても深い洞察を提供していただきました。

(写真左)自社の製品を手に取り、その特徴を説明する高岡社長。(写真右)講演を行う安永氏。
講演会終了後には懇親会を開催。今回のビジネスフォーラムは全国の投資先企業さまにご参加いただいており、これまで交流のなかった異業種や他地域の経営者と意見交換していただける場となりました。

地域や業種を超えて、活発に意見交換を行う参加者たち。
京都の文化や歴史を事業に活かす
2日目は、京都の豊かな文化や歴史に触れながら、経営に役立つ新たな視点を得るスタディツアーを実施しました。このツアーの内容は、単なる観光ではなく、京都の伝統と現代ビジネスについてその道のプロから学ぶもの。参加者には5つのツアーから興味のあるものを自由に選択していただきました。通常では体験できないような特別なルート・施設を巡る貴重な体験を通じて、参加者の皆さまには経営へのヒントを得ていただけたと思います。
本ビジネスフォーラムは、単なる知識の習得にとどまらず、参加者同士の深い交流を促進し、新たなビジネスの可能性を切り開く場となりました。今後も投資育成3社が連携したイベントを企画していきたいと思いますので、投資育成のネットワークを活用し、皆さまのビジネスに役立てていただければ幸いです。
- ①島津製作所旧本社で学ぶ創業の精神と京都近現代建築の視察ツアー
- ②宮大工と巡る総本山知恩院
- ③元生糸問屋専務と巡る西陣、金箔と手機職人の伝統工芸
- ④山科伯爵家30代当主が案内する、天皇家御装束を担う「衣紋道」と公家文化
- ⑤京都伏見最古の酒蔵「増田德兵衞商店」の見学と社長講演

スタディツアーでは西陣織には欠かせない金箔技法や(写真左)、総本山知恩院の御影堂(国宝)
などについて解説していただきました。
機関誌そだとう221号記事から転載