新たな時代へと脱皮し、生命力を高め、
3000社におよぶ大きなネットワークを
最大限に活かす可能性に期待を寄せて

東京中小企業投資育成株式会社
代表取締役社長
安藤 久佳

 

新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、お健やかに新たな年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

新しい年が始まりました。昨年は、まさに元日に能登半島地震が発生し、多くの方々が被災しお亡くなりになりました。そして1年を経過する今でも、苦しい生活を強いられております。さらに翌日には、羽田空港での海上保安庁の航空機と大型旅客機の事故も、大いに驚かされました。

他方で、ロシアによるウクライナへの侵攻とその後の戦況は終息の兆しもなく、悲惨な戦いは3年近くも続いております。加えて中東において、ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃を契機に大規模な軍事衝突が始まり、激しい抗争は今も続いております。成熟しているはずの欧米各国も、米国でのトランプ大統領の再登板、フランスでの極左と極右の台頭、ドイツの連立政権の崩壊……。

世界はまさに予測不能の不安定な時代に突入し、ますます加速する感があります。エネルギー価格の上昇、原材料価格の高騰、さらには中国経済の減速が懸念される中での戦況の拡大にともなう世界経済全体への悪影響など、さまざまな局面、事態を通じて皆様の日々の経営、そして将来への事業展開にも少なからざる影響を与えていることと思います。

こうした中において、それぞれの企業を切り盛りし、従業員の生活をしっかり維持し、新たな仕事を獲得する、経営者の皆様は大変なご苦労の毎日と思います。

東京、大阪、名古屋、3社の中小企業投資育成は、還暦を越え新たな歩みを始めております。これもひとえに投資先の中小企業の皆様、株主の皆様、関係機関の皆様など、多くの方々の長年のご支援の賜物であり、この場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

内外の情勢はまさに大きく動いており、そうした中で少しでも皆様のお役に立つためには、私どもの能力をより高めなければいけません。相談しがいのある東京中小企業投資育成になるための研鑽をより積みたいと思います。

投資育成3社の投資先の皆様の売上高は、総額20兆円を超えます。連結ベースでトヨタ自動車、三菱商事に次ぐ、日本で3番目の企業グループといえるでしょう。3000社におよぶこの大きなネットワークを皆様方、1社1社の発展なり新たな展開に現実のものとして活かしていくべきと思っております。ビジネスマッチングの成功例をより多く生み出すための方策、さらには中小企業の体力を高めるためのグループ化の可能性、こういったことを、この3000社のネットワークを中心に引き続きしっかり考えてみたいと思います。

我々、東京中小企業投資育成も時代の変化、皆様方を取り巻く情勢の変化、こうした変化に目をそらすことなく正面からしっかりと見据え、皆様方のご要望、お悩みに耳をすませ、少しでもお役に立てるよう全力をあげさせていただきます。お気になること、心配なこと、ご関心のあること、何でも結構です。投資育成に関係なさそうなことでも構いません。私どもにどんどん投げつけてください。

今年の干支は「乙巳」です。巳は、物の本によりますと、草木の成長が極限にまで達した状態、あるいは光りきらめく炎がもととなり、火のような灼熱の性質を表す、とありました。乙は、種から出た芽が地上に出ようとして曲がりくねった状態ともいわれております。したがって、乙巳は、成長が極限にまで達し、エネルギーの行き先が閉ざされたことにより、爆発するような大きな変化が起きる状態とのことです。これ以上の爆発的な変化は勘弁願いたいものですが。昨年の年頭所感では、戦後6回の辰年のうち衆議院議員総選挙が4回も行われており、ロッキード事件やリクルート事件も辰年で、歴史、政治の大きな変化のある年かもしれませんと書かせていただきましたが、ご案内の通り、わが国も含めて世界で大きな政治の変化が生まれました。今年はこれを上回ることも覚悟しておけとの説のようです。

もっとも巳は蛇であり、脱皮をするたびに生命力が高まり、また運気を上げる吉兆の生き物ともいわれております。ぜひ、こちらにあやかりたいものです。

皆様のお仕事が、ますます発展することをご期待し、そして世界に平和が戻ることをご一緒にお祈りしたいと思います。

 

機関誌そだとう221号記事から転載

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