上質で鮮度の良い材料を、匠が練り上げる
上質で鮮度の良い材料を、匠が練り上げる
- 投育の逸品 -
(上)中央に3枚ある“極上笹”は、魚の甘みを堪能できる
人気No.1商品だ。時計回りに右から紹介すると、
“白謙揚げやさい入り”はふっくら肉厚で、ねぎの風味が
クセになる。“白謙揚げ”は、澄んだ菜種油の香ばしさが漂い、
素材本来の旨みをシンプルに楽しめる。
“ミニ紅しょうが”は風味が抜群で、おつまみにぴったりな一品。
“チーズ笹”は、マイルドでコク深い味わい。
(下)吉次は脂が乗った白身魚。
今回ご紹介する蒲鉾は、もちもちと柔らかい食感と、噛むたびに広がる高級魚のふくよかな旨みが特徴だ。気品ある味わいから、贈答品として利用するリピーターが多い。お客さまからは「蒲鉾の概念が変わるほどおいしい」と、歓喜の声が寄せられ、昨今はおうち時間のプチ贅沢アイテムとしても人気を集めている。
製造・販売しているのは、宮城県石巻市の白謙蒲鉾店。特筆すべきは、最高峰の食材のみを用いる点だ。主原料のスケトウダラは、船上ですり身にされ、すぐに冷凍して新鮮なまま工場に届けられる。さらに、キンキの名で親しまれている高級魚“吉次”をすべての商品に入れているのは、数ある蒲鉾メーカーのなかで同社だけだ。三陸産など近海で獲れた吉次を、職人が包丁で丁寧に捌く。“チーズ笹”には、蒲鉾の風味を引き立てるオリジナルチーズがたっぷり練りこまれている。“白謙揚げやさい入り”に入る野菜は、すべて国産。
また、同社は素材の持ち味を最大限に生かすために、手間ひまを惜しまない。社長は製造本部長を兼任し、原料の仕入れから製造工程まで逐一チェックする。そのため、社長室を工場に隣接させる徹底ぶりだ。社員はその熱意に共感し、技術力に磨きをかける。同社には、難易度の高い国家資格「水産練り製品製造技能士1級・2級」保有者が合計21名在籍。これは大手メーカーに匹敵する数だ。腕利きの職人たちが、季節などによって変わる魚の状態を見極め、塩加減やすり身の配合を調整している。この瞬間に味が決まるため、職人は熟練の勘と技を集結させて挑み続けているのだ。
機関誌そだとう208号から転載
株式会社白謙蒲鉾店
主な事業内容 :魚肉練製品の製造販売業
本社所在地 :宮城県石巻市
社 長 :白出哲弥
創 業 :大正元年
従業員数 :191名(2021年4月現在)