欧州の伝統と日本の技術のマリアージュ
欧州の伝統と日本の技術のマリアージュ
投育の逸品
ブルームバーグ新欧州本社ビル(イギリス・ロンドン)
ロンドンシティ中心街にある、大手金融情報通信社・ブルームバーグ新欧州本社ビル。そのブロンズによる壮麗な外装・内装が、ロンドンっ子を驚かせている。手がけたのは金属製内外装工事のプロである菊川工業だ。そのプロにして、10万平方㍍超の広大な敷地に建つ大規模ビルをブロンズで覆ったのは過去に例がないという。700トンを上回るブロンズパネルが外装、屋根、らせん階段手すり壁などに施され、多くが複雑な三次元形状のため、その溶接は容易ではないが、菊川の高い技術力によってひずみの少ないきれいな溶接が実現した
ブロンズ表面に自然な経年変化や風合いを持たせるため、「硫化イブシ」と呼ばれる古美仕上げ(硫化処理によりアンティークな雰囲気を演出する手法)を採用。硫化イブシは素材や気温・湿度などに影響されやすく、色の調節が難しいため、菊川は色調を広い面で測定できる検査機器を導入し、数値によって色調を管理、クライアントを満足させた。
投資育成の投資先企業でもある菊川は「どんな難関にも挑戦する」という創業以来の「Never Say No」精神を発揮、ヨーロッパでも多くのファンを獲得している。今回、建築デザインを手がけた世界的な建築設計事務所、フォスター・アンド・パートナーズ創業者のノーマン・フォスター卿は「職人の手業と最新機械の融合でこのようなすばらしい製品ができた」と絶賛。さらなる高みを菊川はめざす。
機関誌そだとう196号から転載
菊川工業株式会社
主な事業内容 :建築物の金属製内外装工事の設計・製造・施工、金属工事を含む改修・リニューアル・補修工事全般、金属加工受託ほか
本社所在地 :東京都墨田区菊川
資本金 :1億円
創 業 :1933年
従業員数 :192名
社 長 :宇津野嘉彦
会社HP :https://www.kikukawa.com/