株式会社みすず書房

会社概要

事業内容・特色

　1945年、終戦後の廃墟から出版準備をはじめ、翌1946年3月に創業。
　「みすず・刈る」は、信濃の荒野に生い茂る篠竹のすがたを見て、まだ文字もなかった頃の上代人が、思わず感動の歌ごえを唇にのぼせたもので、『万葉集』という歌の宝庫におさめられ、一千年ののちの私たちに、ふるくそして新しい響きをつたえております。この荒野に立つ人間の形姿は、「物」を「文」に化そうとする出版事業のシンボルとして、ふさわしく思われたのが社名の由来です。
　創業出版は片山敏彦著『詩心の風光』。以来、半世紀をこえ、発行書数は4500点を超えました。創業当初より刊行のはじまった『ロマン・ロラン全集』全43巻、『現代史資料』全45巻などのほか、個々の単行本は、人文科学・社会科学・自然科学・文学・芸術など、ほぼ文化の全領域にわたっております。
　「歴史」という思いが人類に生まれると時を同じくして、本の歴史もはじまりました。以来、「かたち」こそ時代の技術革新に呼応して変化してきましたが、後世に伝えておきたいものがある、という意思は、出版者に共通しています。その意思と内実を確固たるものにするため、私共は、自己反省を繰り返しながら、人間の想像力が生み出した言語芸術作品の驚くべき力を通して、社会的使命に応えてまいりたいと願っております。
　21世紀という時代、「グーテンベルクの銀河系」には明らかに質的な変化も起きていますが、それぞれの本にふさわしい造本を心がけ、時代の中にいて、つねに批判精神を持ち続けながら出版活動を行っていく、という基本姿勢から誕生してきた一冊一冊は、必然的に多岐のジャンルにわたるものとなっております。