支援事例
社員の意識が大変革。確実に「身になる」システム
株式会社TOK
吉川桂介社長
主な事業内容: ベアリング、クラッチ、ダンパなどメカニカルコアパーツの開発・製造・販売
本社所在地 :東京都板橋区
社長 :吉川桂介
資本金 :1億円
創業 :1925年
従業員 :180名(派遣社員含む)
体系的な研修を求め階層別社員研修を採用
世界で初めて樹脂ベアリングを開発したTOKは、クラッチ、ダンパなど、メカニカルコアパーツの専門メーカーとして、他社の追随を許さないオンリーワンの地位を築いている。吉川桂介社長は自社の強みをこう語る。
「これまでの技術とノウハウをベースとして、従来にない動きを提供するパーツを開発しています。当社ではカスタム品が売上全体の75%を占め、競合が諦めたような仕事を引き受ける駆け込み寺的な存在になっています」
ベアリングのほか、ダンパ、クラッチなど。
写真は製品紹介用の「カタログボックス」。
吉川社長は2015年に就任して以来、積極的に人材育成を図ってきた。それまでも役職昇進時などに単発的な研修は行ってきたが、「体系的に新入社員や若手から中堅社員、管理職、役員まで受講できる研修を求めていたので、投資育成の階層別社員研修を取り入れました」と語る。
以来、毎年多数の社員を研修に送り出し、現在までの参加人数は延べおよそ130人。一部の社員は、新人・若手を対象とした「新入社員フォローアップ研修」から「若手社員早期戦力化研修」、次に「リーダー研修」や「管理職養成研修」といったように、役職が変わるタイミングで当該階層に応じた研修を順次受講している。
「当社の経営方針として、以前から『“企業は人なり”常に人材の育成を計る』という考え方がありました。当然、人材育成を重視してきたのですが、体系的な制度を整えていたわけではありません。職階ごとに求められる能力は変わりますし、階級が上がるほど内容は抽象化していくため、そのサポートが難しかったのです。例えば、リーダー層になれば部下の育成のために『傾聴力』が必要になります。それなのに、相手の目を見て共感的に話を聞く方法論をわかっていない管理職もいて、これは改めて教えていかなければならないと痛感したのです」
女性リーダー育成にも長期的に取り組む
近年は女性社員の採用も増えてきたことから、女性リーダー育成の研修にも力を入れている。
「すでに係長クラスで起用しているので、今後は当社初の女性役員が生まれるよう、長期的に取り組んでいきます」
同社では等級別の社員と、投資育成の階層別社員研修を一覧できるマトリックス表をつくっている。それに基づき、段階を踏んで効果的に受講できる仕組みを構築しているのだ。また、同社は全国に事業所や工場を構えているが、拠点単位で社員のスケジュールを組むなど、フォローもきめ細かい。
吉川社長は、受講を通じて社員に得てほしいものについて「考え方」と即答する。先に挙げたコミュニケーション力のほか、論理的思考力や問題解決能力など、役職ごとに求められる能力は異なる。それらを効果的に習得できる階層別の研修システムに、大いに期待している様子だ。実際、受講後の成果や変化として、「仕事に対する意識が変わりつつある」と、手応えを感じている。だが一方で、こうも言う。
「学んだことを職場で実践するうえで、PDCAサイクルのC(評価)とA(改善)がおろそかになりがちだと感じていました。習慣化のフォロー体制を整えたいと思い、投資育成に相談したところフォローシート導入の提案をいただき、以降は実践して役立てています」
これは、研修で得た学びを実践するテーマを1週間以内に3つ設定し、1か月間取り組んだあと振り返り、上司と面談してまとめるものだ。
「学びと行動を文書化することによって意識が定着し、同時にマネジャーの育成にもつながる」と、吉川社長。実際、上級コースを除く管理職研修は、各回に約1カ月のインターバルを設けている。これは学んだことを実践しながら定着させるための期間だ。吉川社長はこの特徴を活かし、フォローシートを導入することによって、同社オリジナルにカスタマイズしているのだ。
(右)階層別社員研修によって、プレゼンスキルなども向上している。写真は成果報告会の様子。
絶え間なく学びの場を提供することで「学ぶ喜びを感じ、リーダーシップを身につけてほしい」という吉川社長の思いが、実を結びつつある。
機関誌そだとう210号記事から転載
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